「肩こり」を今すぐ撃退する方法

肩こりは「消炎鎮痛剤」では治らない!

「疲れ」の代表的な症状と言えば、体の重さ、痛み、冷え、震えなどでしょう。ここでは、それらの症状が起こるメカニズムを見ていきます。これまでの医学の常識では、原因がよくわからない症状もありました。しかし、免疫学の立場からすれば、現代医学の常識を覆すような原因が見えてきます。

すると、「免疫力を高めるコツ」のカテゴリで述べた疲れの症状についても、具体的な対処法がわかるのです。自分の「体の声」がよく聴こえるようになり、自然と疲れの取り方が上手になっていくに違いありません。

2時間も3時間も同じ姿勢で作業をしていたため、肩や腰が重くなった。そこでしばらく休憩をすると、今度は肩や腰が痛くなってきたぞ・・・。そんな経験をしたことがある人は少なくないでしょう。体の「重さ」と「痛み」には相関関係があるのです。ここでは、そのメカニズムを分かりやすく説明します。

体の重さや痛みを、消炎鎮痛剤を飲んだり貼ったりして治そうとする人がいます。しかし、よかれと思って使っているこの消炎鎮痛剤が、じつは、こり、重み、痛みを悪化させるものだと言ったら驚くでしょうか。なぜそう言えるのか、これから順を追って説明してみたいと思います。

まず、肩や頭、腰がこって重くなるのは、ストレスにより交感神経が優位になり、血行が悪くなっている状態です。血管の収縮が続くことで、血流が滞り、疲労物質(乳酸など)が溜まって筋緊張が起きてくるのです。頭痛も頭の筋肉が緊張して起こります。

こうして交感神経が優位になり血流が滞って筋緊張が起こると、次には、回復を図るために、副交感神経が優位になります。副交感神経は、プロスタグランジンというホルモン様物質を使って、血流を回復させようとします。プロスタグランジンには、

  1. 血管を拡張させる
  2. 痛みを起こす
  3. 発熱させる

という3つの働きがあります。疲れが生じた患部に感じる痛みや熟、赤みを帯びた腫れなどは、いずれもプロスタグランジンが血流を回復させて組織の修復を図っている時の現象です。つまり、肩がガチガチにこって重くなった部分が、その後、痛くなるのは、組織を疲労から回復させようとして体が起こす「回復反射」なのです。

頭痛持ちの人はおわかりかと思いますが、最初は頭の筋肉が強く緊張して頭が重く感じる状態になります。その後、昼休みや帰宅後など、ふっと気を休めて副交感神経が優位になった時に、痛みが出てきます。プロスタグランジンによって血管が拡張し、血液がどっと押し寄せるので、ズキン、ズキンという拍動性の痛みが出てくるのです。腰痛持ちの人も同じです。

たとえば、職場で長時間、同じ姿勢でパソコンに向かって作業をしていると、最初は腰が重く感じるはずです。その後、体を休めた時に痛みが生じてきます。これは筋緊張を緩和し、疲労物質を洗い流すための血流回復反射が起こるからです。

— posted by ソラヒト at 06:39 pm