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全身クタクタで「鉛のように体が重い」場合は?

先ほども述べたように、チェックリストでAが多かった人は、交感神経の緊張が続くような生き方をしている人と言えます。このタイプは、とても活動的で、色黒で、筋肉が発達している人が多いです。動作は機敏で、歩く速度も速い。喜怒哀楽がわりあいはっきりしていて、興奮しやすいタイプと言えるでしょう。

基本的に、男性は、このタイプが多いです。女性でも、活動的な人は、このタイプに当てはまるでしょう。副交感神経が優位になる時間帯、つまり食事や入浴、睡眠の時間が短いのも特徴です。

「元気はつらつなら、いいじゃないか」と思うでしょうが、この状態のまま、休息(副交感神経が優位になること)が不十分な生活を続けてしまうと、交感神経が優位な状態が続きます。すると、「副交感神経を刺激して休みたい」という無意識の欲求が湧き、体がうまみの強いものや甘いものを欲するようになります。

仕事が忙しくて、休みたくても休めない。今日も疲れを引きずりながら、また頑張って働く・・・。こんな生活を続けているとどうなるでしょうか?交感神経優位タイプの疲れの感覚を、具体的に見てみましょう。

「交感神経優位タイプの疲れの感覚」
  • いつも、体が疲れている。
  • イライラする。
  • ピリピリした不安感が強い。
  • 原因を周りの人のせいにして怒りやすい。
  • 興奮して夜眠れない。
  • 血圧が高い。
  • 血糖値が高い。
  • 肩・背中・腰に、活動しすぎによる疲れ、痛みが出る。
  • 便秘がひどい。
  • 体温が低い。
これが、さらに続くと、交感神経型の病気の世界に入っていきます。

— posted by ソラヒト at 12:59 am  

 

体の中の「シーソー」を上手に働かせよう

「交感神経、副交感神経が、疲れとどう関係があるの?」そう感じた人もいると思いますが、じつは、これが大いに関係があります。交感神経と副交感神経を併せて自律神経といいます。自律神経とは、人間の活動と休息に合わせて、体の各組織を無意識のうちに調整している神経のことです。

交感神経とは、おもに昼間に働きます。人が活動する時や運動をしている時に活性化し、「元気はつらつ」「やる気まんまん」の状態をつくり出す神経と考えればよいでしょう。具体的には、心臓に働きかけて拍動を速くし、血管を収縮させて血圧を上げます。呼吸も速く浅くします。こうすることで、心身共に興奮状態をつくり、活発に活動しやすくするのです。

活動時は、体に傷をつくることなども多くなるので、傷から侵入する細菌などの外敵から体を守る必要も出てきます。そのため、交感神経が活性化すると、体を外敵から守る「白血球」のうち、細菌などを攻撃する役割の「穎粒球」が増えます。副交感神経は交感神経の逆で、おもに夕方から夜にかけて働きます。人間が休む時や、食事をした時に活性化して、「ゆったり気分」「のびのびリラックス」の状態をつくり出す神経です。

具体的には、心臓の拍動を遅くし、血管を拡張させ、呼吸を深くゆっくり安定させます。食後に胃腸の働きを活発化させて消化を助ける役割も果たします。食後は、すぐ行動を起こしにくいものですが、それは心身共に、穏やかな休息に適した状態をつくり出しているからです。

また、休息時、体内では、白血球の一種の「リンパ球」が、がんなどの異常細胞を攻撃して体を防衛、メンテナンスしています。リンパ球は、食事によって体内に入ってくる異物から体を守る働きがあり、副交感神経は、このリンパ球を増やす働きもあります。人間の体は、このように、自律神経によって、体中の細胞を極めて合理的に調整し、活動時と休息時に適した体調をつくり上げているのです。

交感神経と副交感神経は、通常は措抗関係にあり、シーソーのように交互に活発化して、体に働きかけています。どちらか一方が働いた後は、必ず揺り戻しがきてもう一方の神経が働き始めることを繰り返すわけです。このようにしながら、活動と休息のリズムをつくって、体の調子を整えています。このシーソーの働きがうまくいっている時は、生活にメリハリがつき、体調もいい状態が続きます。

ところが、シーソーの働きを無視して、働きすぎたり、リラックスしすぎたりといった生活を続けていると、一方の神経だけが優位になり、もう一方の神経タイプに戻りにくい体質になっていきます。こうなると、偏った側に特有の疲れが現れ、その先に病気が待っているのです。前ページのチェックリストで、項目AとBのチェック数の差が大きいほど、チェックが多くなったタイプへの偏りが激しいと考えてよいでしょう。

— posted by ソラヒト at 12:51 am  

 

あなたは「疲れやすい人」?「疲れにくい人」?

「健康度」チェックリスト
  1. 肌の色・・・A:どちらかと言うと色黒・・・B:どちらかと言うと色白
  2. 体系・・・A:筋肉質(引き締よっている)・・・B:ふっくら、ぽっちゃり型
  3. 体温・・・A:体の冷えを感じることが多い・・・B:体が冷えることはあまりない
  4. 体力・・・A:無理をしすぎて疲れる・・・B:少し動くだけでも疲れる
  5. 動作・・・A:動作は機敏、歩くスピードも速い・・・B:体の動きはゆったりしている
  6. 体のトラブル・・・A:胃炎や□内炎やニキビになりがち・・・B:どちらかと言うとアレルギー体質
  7. 胃腸・・・A:下痢よりも便秘になるほうか多い・・・B:便秘より下痢をするほうが多い
  8. 性格①・・・A:何事も熱中してやりすぎる・・・B:あまり無理はしない
  9. 性格②・・・A:喜怒哀楽か激しい・・・B:おっとりしていて穏やか
  10. 性格③・・・A:他人の目、意見は気にしない・・・B:他人の目が気になる
  11. 性格④・・・A:悩みがちな性格だ・・・B:あまり悩まない
  12. 性格⑤・・・A:活動的・・・B:静かで落ち着いている
  13. 食べ方・・・A:食事の時間は短い・・・B:食事の時間は長い
  14. 食べ物①・・・A:肉類や脂っこいものをよく食べる・・・B:野菜やあっさりしたものをよく食べる
  15. 食べ物②・・・A:刺激の強いものより,甘いものを好む・・・B:辛いものなど刺激のあるものを好む
  16. 入浴・・・A:入浴時間は短い・・・B:入浴は、湯船にゆっくり浸かる
  17. 薬・・・A:定期的に飲んでいる薬がある・・・B:薬はできるだけ飲まない
  18. 生活・・・A:仕事などで忙しいのは当たり前・・・B:忙しい生活は、できるだけ避けたい
  19. 睡眠・・・A:睡眠不足になりがち・・・B:睡眠時間は十分に取っている

上記のチェックリストでAが多かった人は、実は自律神経の中でも「交感神経」が優位になったことによる疲れを感じやすい人です。わかりやすく言うと、「忙しすぎて、いつも疲れている」タイプで、激務に追われるビジネスパーソンがその典型です。忙しい現代人は、7割以上の人が当てはまるでしょう。

Bが多くなった人は、自律神経の「副交感神経」優位による疲れを感じることが多い人です。たとえば、過保護に育てられた小学生が「体を動かし始めるとすぐに疲れる」ような状態。「リラックスしすぎて、体の機能が低下し、すぐに疲れが出る」タイプです。体の頑張りの許容範囲が狭いのです。ビジネスパーソンには少ないですが、それでも女性を中心に3割ほどの人がこのタイプに当たるでしょう。

AとBでは、疲れの感覚は似ているかもしれませんが、そこに至るメカニズム、なりやすい病気がまったく違うのです。AとBの数の差があまりなかった人(1~3くらい)で、体調がよい人は、自律神経のバランスが取れており、あまり疲れで悩まない人です。体調の悪い人は、自律神経の働きが、不安定になっている人です。これらのタイプについて説明していきましょう。

— posted by ソラヒト at 12:26 am  

 

「5分間の深呼吸」で疲れが取れる!

疲れといっても、いくつかの「タイプ」があります。そして、タイプが違えば、当然、解消方法も違います。その違いが、免疫学の立場から見ると、いっそうよくわかります。後半でも詳しくメカニズムを説明しますが、免疫学とは、もともと人間に備わっている免疫力によって病気を癒す医療分野です。

わかりやすく言えば、ウイルスや細菌など、さまざまな外敵から体を守る防衛システム・・・「白血球の働きによって、体を病気から守る自然治癒力」のことです。共同研究者である外科医の医師と共に、自律神経が白血球の働きに大きな影響を与えるという、「白血球の自律神経支配の法則」を発見しました。

この法則を通して見ると、疲れのタイプや解消法が具体的にわかつてくるのです。さらには、タイプと共に、疲れの「レベル」もいくつかに分けられます。「5分間の深呼吸で取れる疲れ」から、「病気のサインとしての疲れ」、「病気のレベルに達している疲れ」まで、それぞれの段階で体の中で起きている変化についても、見えてきます。

まず、疲れのタイプとレベルについて詳しく説明していきます。これらを知っていれば、現在の自分かどんな疲れの状態にあるのかを把握しやすくなり、対策を立てやすくなるでしょう。

— posted by ソラヒト at 12:21 am  

 

免疫力「体の声」に耳を傾けてみよう

「あー、疲れた」あなたも、無意識のうちに、そう口走ってしまったことがあるでしょう。疲れとは、病気の手前で。体が発するSOSアラーム、つまり、「体の声」です。ですから、私たちが、その「体の声」を軽視したり、聞き逃したりすると、体にさまざまな不調が現れます。それがひどくなった状態が「病気」です。仕事はもちろん、日々の生活に支障をきたすこともあります。

あなたは、疲労を感じる時、体のどの部分に、どんな感覚を覚えるでしょうか?「全身で”疲れた”と感じるだけじゃないの?」そのような漠然とした感覚しか持つことができない人は多いもの。特に、健康で体力もある20代や30代前半の男性にそうした傾向が見られます。

男性は、だんだん体が言うことをきかなくなり始める30代の後半以降、病気になって初めて、必要に迫られ自分の体に注意を向けることが多いようです。疲れを解消する方法も、男性は、「じっと休む」とか、「とにかく寝る」など単純になりがちです。その数は片手で数えられるほどではないでしょうか。

女性は、男性より繊細で敏感ですから、体の声を感じ取りやすいかもしれません。しかし、それでも私は、体のどんな声が、どんな状態を表しているのかを正しく聴くことができる人は、それほど多くないと思っています。その理由は、現代文明特有の病気にかかる人の数の多さに表れています。

疲れと上手につき合い、コントロールすることができれば、病気にはなりません。それどころか体が本来持っているパワーを存分に発揮することができます。今より、もっと大きな仕事、もっと喜びに満ちあふれた充実した毎日を手に入れることができるのです。

— posted by ソラヒト at 12:12 am